2019-01-01から1年間の記事一覧

映画『ジョーカー』について一言

私が映画『ジョーカー』を見て、最初に持った感想は「とても中途半端な映画」というものだった。というのも「追い詰められた人間が犯す暴力を肯定的に描いた映画」という先入観をご多分に漏れず持ち込んでいたためだ。弱者の暴力を正当化する映画として『ジ…

カジュアルな「世界の終わり」-『天気の子』

新海誠が最初に注目されたのは、長編デビュー作『ほしのこえ』だった。そのほとんどをたった一人で作り上げたというこの作品は、いわゆるアート系アニメでなく通俗的なレベルで感情移入可能なドラマであり、シーン毎の完成度のばらつきを考慮しても驚異的な…